2008年2月26日火曜日

ロボット操作 親子で挑戦 札幌・東区

親子でロボット操作を体験する「ファミリーロボット教室」が二十四日、札幌市東区の東区民センターで開かれた。
 子供の理科離れが指摘される中、親子のコミュニケーションを深めつつ、科学技術に興味を持つきっかけになればと、東区役所が小学四-六年生を対象に開催。十六、十七日にも開かれ、合わせて三十九組が参加した。
 挑戦したのはサッカーロボット。赤外線センサー付きで、赤外線を出すボールを探して追うように、パソコンで設定するのが課題。パソコンで「前進」などの指令を打ち込み、どうしたらうまく動くのか、親子で試行錯誤を続けた。
 最後は実際にゲームを楽しんだ。東苗穂小四年の近江谷誠人君(10)は「思い通りに動かすのは大変」と、何度も改良を加えていた。講師を務めたNPO法人北海道マイクロビジネス推進協議会の畑雅之常務理事は「ゴールにたどり着くにはどうすればよいのか、子供たちは自分で考え、工夫する。こうした科学的思考を養うには良い教材」と話していた。

2008年2月16日土曜日

特急にはねられ高2男子が死亡 北広島駅、自殺か

【北広島】十五日午後一時三十五分ごろ、北広島市中央六のJR千歳線北広島駅構内で、東室蘭発札幌行き特急列車(五両編成、乗客約百人)に男性がはねられ、死亡した。乗客にけがはなかった。
 札幌厚別署によると、男性は恵庭市に住む高校二年の男子生徒(17)。運転士は、列車が同駅を通過するため構内に入った直後に男性がホームから飛び込んだと話しており、同署は自殺とみている。JR北海道によると、特急四本を含む列車四十本が運休するなど、約一万二千人に影響が出た。

2008年2月11日月曜日

タラバ増殖計画、道が新年度着手 10万匹規模で稚ガニ生産

道は新年度から、タラバガニの本格的な増殖事業に初挑戦する。ロシアの輸出制限と道内漁獲量の低迷で、将来的な安定供給が不安視される中、道内のカニ資源を回復するのが狙い。漁獲できるカニを育てるには十年以上かかる見通しだが、世界的にもタラバガニを数千匹以上の規模で増殖した例はないという。
 タラバガニは昨年、道内流通の大半を占めるロシアからの輸入が、二○○五年の半分以下となる約一万四千トンに激減。一九六○年に約八千トンあった道内漁獲量も、ここ数年は百-二百トン台で推移している。品薄で札幌の活ガニ(一キロ)卸値は最高で五千円を超える日もあり、前年比で50%以上高騰している。
 このため道は漁業振興に加え、道内消費者や観光客にカニを安定供給する手段として、増殖に乗り出すことを決めた。研究は道立栽培水産試験場(室蘭)が担い、卵を持つ雌のタラバガニの購入費や、卵をふ化させて稚ガニを育てる研究費など計約五百万円を新年度予算案に計上する。
 タラバガニを卵からふ化させ、十万-二十万匹の稚ガニを育てる実験には、独立行政法人水産総合研究センターの厚岸栽培技術開発センター(釧路管内厚岸町)が八○年代に成功。根室市水産研究所も○一年、卵をふ化させて親ガニまで成長させ、この親ガニに卵を産ませる「完全養殖」に成功し、稚ガニ数匹が育っている。
 ただ、タラバガニは共食いの危険性がある上、好む水温や餌など不明な点も多く、卵から親ガニを大量に育て、漁獲サイズまで成長させる技術はまだ確立されていない。厚岸と根室の両施設は卵の確保の難しさや費用面の問題から、研究を休止している。
 道はこうした実験結果を踏まえ、当面の目標を「三年程度で卵をふ化させ、稚ガニを安定生産する」ことに設定。規模は十万匹程度を目指す。
 この目標を達成した段階で、食用として出荷できるまで自前で育成する養殖と、稚ガニの段階で放流して漁業者が捕る栽培漁業型のどちらが有効か、慎重に検討する考えだ。

2008年2月6日水曜日

アイヌ語生き生き紹介 新ひだか在住の狩野さん、本出版

【新ひだか】町静内中野町の狩野義美さん(74)が、アイヌ語の辞書と随筆集を組み合わせた本「新冠・静内地方のアイヌ語・郷土史話・随筆集-わが想い出-」をこのほど出版した。「子どもたちがアイヌ文化に興味を持つきっかけになれば」と喜んでいる。
 辞書には新冠、静内地方のアイヌ語千百十七語を収録。「レラサプケ」の項目には「クマが風が運んでくる異臭をかぎ分けている様子。鼻先に全神経を集中させる様子には威厳、恐ろしさを覚える」と記し、コタンコルカムイ(フクロウ)の項目には、恐ろしいクマから農家の女性を救ったフクロウのエピソードを添えるなど、思い入れのある単語には生き生きとした解説を加えた。
 幼いころはアイヌ民族だからと陰湿ないじめを受けた。狩野さんは「アイヌ文化は不浄なものと、恨めしかった」と振り返る。しかし、四十歳ごろからアイヌ文化が懐かしくなり、きちんと向き合いたいと思うようになった。大人たちが話していたアイヌ語を思い出し、メモにとった。
 また、山中でクマと対峙(たいじ)する過酷な狩りの現場やイヨマンテ(クマ送り)、昔の生活などをテーマにした随筆十二編も収めた。
 狩野さんと親交があり、アイヌ語研究の第一人者として知られる千葉大の中川裕教授(アイヌ語学)は「狩野さんは、アイヌ語や伝統的な生活を実体験をもとに書き残せるぎりぎりの世代。アイヌ文化が培われてきた環境を知る重要な資料だ」と評価している。
 B5判、百九十三ページ。財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構(札幌)の助成で百五十部を製作。狩野さんが単語を読み上げた音声を収録したCDも添付している。非売品で、道内の図書館や博物館などに配布される。狩野さんは「昔はあんなに嫌だったアイヌ語だが、やはり捨てきれない。涙が出るほどうれしい」と話していた。

2008年2月2日土曜日

全国初の信金講座 樽商大、4月開設 札幌信金が協力

札幌信金と小樽商大は三十一日、四月から同大の三、四年生を対象に信用金庫をテーマとした講座を開設することで合意した。札信がCSR(企業の社会的責任)活動の一環として全面協力し、山田正会長や太田堯理事長のほか、日銀札幌支店の上野正彦支店長、北海道財務局の金融監督官らが講師を務める。「信金」が講義のテーマとなるのは全国の大学でも初めてとみられる。
 講座名は「地域経済の活性化と信用金庫」。毎週金曜日の三講目に正式な授業として行われ、通年で計二十九回を予定する。
 履修学生は計六回のリポート提出が求められ、四単位の取得が認められる。
 講師陣は二十八人。上野・日銀札幌支店長が「金融システムの制度的枠組み」について講義するほか、シンクタンクの信金中央金庫総合研究所(東京)の研究員らが地域振興を図る上での地元信金の役割について話す。
 また、昨年秋に民事再生法を申請したハコセン(函館)など大型企業案件を手掛ける橋本昭夫弁護士も信金による中小企業の再生支援について説明。札信の融資担当者は実際に再生支援したケースを紹介するなど、学生にとっては地域金融の現場が学べるカリキュラムとなっている。
 札信は「学生に信金業界をもっと知ってもらうとともに、優秀な人材の確保にもつなげていきたい」としている。